2023/2/8

経理業務のDX化を成功させるポイントとは

人の手(目)に頼る確認作業が多い経理業務。こうした特性から、経理業務はDX(デジタルトランスフォーメーション)化が難しいといわれています。

特に企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)とは何かについてよくわからないという場合は、どのように経理業務のDX化に取り組めばよいのか悩んでしまうかもしれません。

経理業務のDX化を進めるには「経理業務のDX化とは何か」について明確にしたうえで、経理業務の現状を把握しながら改善を検討することが大切です。

本記事では、経理業務のDX化について定義するとともに、DX化を円滑に進めるためのポイントを4つご紹介します。

経理業務のDX化とは?

経理業務のDX化とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、一般的にデジタル技術を取り入れたビジネス変革のことを指します。
経済産業省では、DXについて次のように定義しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

参考:『「DX推進指標」とそのガイダンス』

DXの目的は「競争上の優位性の確立」であり、そのためにフロントエンド業務やバックエンド業務を含む、企業全体のデジタル化を実現することにあります。つまり、経理業務のDX化とは、IT技術を取り入れて経理業務を自動化し業務効率を上げる事で、会社全体の生産性の向上に貢献して「競争上の優位性の確立」することと言えるでしょう。

また一方、経理業務は、売上や原価、人件費も含むすべての経費、在庫管理、借入金、現金と預金の管理、BSとPLなど、経営や事業に関わるさまざまなデータを扱います。これらのデータベースをデジタル化する事で、単なる集計だけでなく、自動的に加工や分析ができるようになれば、経営判断に必要となる指数もスピーディーに算出する事も可能となります。

経理業務のDX化は、業務効率の向上だけでなく、「正確」「緻密」「スピード」を高めた、新たな判断業務のプロセスも可能となります。攻守の両面で、「競争上の優位性の確立」が期待できるでしょう。

経理業務を「自動化して効率を上げる」ためには、どこから取り組めばいいのでしょうか?
次の章からは、経理業務のDX化に関するポイントをご紹介します。

経理業務を「自動化して効率を上げる」ための課題の洗い出し

経理業務の課題の洗い出し

経理業務の内容は、会社ごとに異なります。DX化できる作業も異なるでしょう。

DX化の検討には、まず経理業務の現状の作業を洗い出し、解決すべき課題を定めることが大切です。

これを怠ったままシステムを導入してDX化を図ると、スムーズに「自動化」に移行できず、作業がより煩雑になるケースもあります。

経理業務では、一般的に次の課題が挙げられます。

  • 「紙の書類」を前提とする作業が多い(ペーパーレス化しにくい)
  • 属人化している作業が多い(その社員がいなければ作業が進まない、その社員が負う作業が多すぎる)
  • Excelを使った手入力の集計が多い(ヒューマンエラーの発生)
  • 確認作業に時間を取られている(見逃し・見落としは許されないため、慎重な作業になる)

現状の作業を洗い出したら、その中で自動化できそうなものを検討していきましょう。

経理業務のペーパーレス化

経理業務のペーパーレス化

一般社団法人日本CFO協会は、2020年に、新型コロナウイルス感染症がどのように経理業務へ影響を与えたかについて調査しました。結果、全体の約30%の企業が「経理部門ではテレワークを実施しなかった」と回答したそうです。その理由として多かったのが、「請求書などの書類のデジタル化が十分でない」というものでした。

参考:『日本 CFO 協会、「新型コロナウイルスによる日本企業の経理財務業務への影響」についての調査結果と考察を発表』

よく挙げられる、経理業務の効率化が進まない理由の一つが、紙の書類のやり取りの多さです。従来、捺印による承認が必要な手形や納品書、請求書などの書類は、ペーパーレス化が困難でした。

逆に言えば、こうした書類のペーパーレス化が可能になれば、経理業務のDX化は大きく進展することが期待できます。

まずは、ペーパーレス化しやすい作業を探してみましょう。

ペーパーレス化しやすい作業には、

  • 経費精算の申請
  • 請求書の発行
  • 領収書などの証憑の提出

などがあります。

これらの作業は社内で完結するため、ペーパーレス化が容易です。

一方 難しいのは、伝票や手形などの書類を、取引先と交わす作業です。こちらは、社内だけではなく、取引先との調整が必要となります。

まず出来るところから、会社内で用いる書類のペーパーレス化から進めてみてはいかがでしょうか。

経理業務における手作業の自動化

経理業務手作業の自動化

経理業務には手作業によるものが多く、それがDX化を妨げている要因の一つになっています。

手作業は、常にヒューマンエラーのリスクを孕みます。そのため経理業務の多くの作業では、二重チェックに時間を割いています。

また、会計処理に必要なデータは、それぞれ項目ごとに別のファイルで管理されている事が多く、これらの集計も、主に手作業になっています。

システムの導入によって、手作業を自動化しヒューマンエラーを回避できることと、別のファイルで個々に管理されたデータを一元管理して、煩雑な集計や複雑な分析を「正確」「緻密」「スピーディー」にできることが、経理業務のDX化の大きなメリットになります。

経理データの一元管理

経理データの一元管理

複数の経理データを一元管理することによって、集計や分析、抽出や照合をスピーディーに行う事が可能となります。

必要なデータをタイムリーに提供できる体制は、他の部門からの様々なリクエストに応える事も容易となり、経営判断や事業の意思決定をスピーディーに行う事が可能となります。

経理データの一元管理は、会社全体の「競争上の優位性の確立」にもつながるものと言えるでしょう。

まとめ

経理業務のDX化は、会社全体の「競争上の優位性の確立」するために重要な取り組みです。

経理業務のDX化の進め方としてご紹介したのは、以下の4つです。

  • 経理業務を「自動化して効率を上げる」ための課題の洗い出し
  • 経理業務のペーパーレス化
  • 経理業務における手作業の自動化
  • 経理データの一元管理

経理業務のDX化は、ハードルが高いと感じるかもしれません。

しかし、経理業務を洗い出すことで、自動化できそうな作業が、以外と簡単に見つかることもあります。着眼大局 着手小局、まず小さい事でも易しいところから、経理業務のDX化を検討してみてはいかがでしょうか。

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