ストックビジネスとは、継続的に収益性が上がるビジネスを指します。長期利用を見込んだサービスの契約や会員を獲得することで、安定した収益を見込めます。今回はストックビジネスの具体例やメリットついて解説します。
目次
ストックビジネスとは?

近年、安定収益を目的としたストックビジネスに注目が集まっています。ストックビジネスとはどのようなビジネスなのか、概略を解説します。
継続的な収益を得ることができるビジネス
ストックビジネスは、長期利用を前提としたサービスの提供で、継続的に収益を得るビジネスモデルを指します。のことをいいます。身近なものでは、定期購入サービスや習い事の教室、ライフラインや電気通信サービスが挙げられます。
ストックビジネスとフロービジネスの違い
ストックビジネスの対語となるフロービジネスは、単発的に収益を得るビジネスモデルを指します。需要に応じて都度、商品やサービスを提供する小売業や飲食業などは、フロービジネスに該当します。
フロービジネスは、販売数量や単価、顧客の購入頻度が収益を左右します。但しこれらの要素は競合他社やトレンド等、外部環境の影響を受け易く、ストックビジネスに比べると、安定した収益を見通すことはできません。
ストックビジネスのメリット

ストックビジネスのメリットは大きく以下の3点が挙げられます。
安定した収益が見込める
顧客を獲得できれば、売上が長期的に継続し、収益予測も容易な、安定したビジネスになります。
効率的に営業やマーケティングを行うことができる
一度獲得した顧客は、リピートのためのアプローチは必要なく、営業のリソースを新規獲得に割くことができます。
また顧客との継続的な接点を活かして、絞ったターゲットに広告費用を抑えた効率的なマーケティングを行う事ができます。
購買行動データの蓄積により商品やサービスの改善ができる
顧客との長期の関係の中で、購買行動データを蓄積することができます。利用するサービス、時間帯、問い合わせの内容等は、商品やサービス品質の改善に有益な情報となります。
ストックビジネスの注意点

ストックビジネスは多くの場合、利用者の積み上げで黒字転換する損益モデルとなりますので、フロービジネスに比べると損益分岐点に達するまでの期間が長く、十分な事業資金が必要となります。
また獲得した利用者に対しても、解約や競合他社への乗り換えを防ぐために、継続的な商品の改善やサービス品質の向上が必要となります。
ストックビジネスの具体例

ストックビジネスの具体例をご紹介していきます。
定期購入型
サプリメントや食料品、日用品などの消耗品を定期的に届けるサービスです。日常的に消費する消耗品を買い物に行くことなく購入できる、需要の高いサービスです。
レンタル型
コーディネートされた衣装やハイブランドのバッグが、必要な時にレンタルできるサービスです。近年、消費者の所有欲が低下している中、資源の消費を抑えるサステナブルの考え方にも沿ったサービスです。
定期メンテナンス型
機器の保守点検を定期的に行うサービスです。機器の販売と同時に、容易に契約を獲得することができます。
サービス型
エステや美容院、カフェなどで拡がり始めている、定額で複数回のサービスを利用できる仕組みです。店舗側が望むリピーターづくりと、利用者のお得感を両立させています。
教室型
ゴルフ教室やヨガ教室など、習い事もストックビジネスのひとつです。従来の教室に通うスタイルに加え、リモートでサービスを受けられるオンラインレッスンも拡がり始めています。
ASP型
ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)は、インターネットを介してソフトウェアなどを提供するサービスです。サーバ管理やセキュリティ対策は事業者が行うため、ユーザーは定額利用料だけで手軽にソフトウェアを利用することができます。
インフラ型
電気・ガス・水道のライフラインや、電話やプロバイダー等の電気通信サービスも、収益モデルはストック型となっています。
まとめ
近年では消費者の、物を購入して所有する欲求が薄まり、これまでフロービジネスで提供されていた商品やサービスが、ストックビジネスによる提供に置き換わり始めています。
事業者の目線においても、単発的な顧客の獲得を続けるフロービジネスに替り、顧客と長期的な関係性を結び、継続する収益を上げるストックビジネスに注目が集まっています。