2024/7/5

サブスクリプション型ビジネスの請求管理を効率化する方法を解説

近年、急速な広がりを見せるサブスクリプション型ビジネスは、継続利用による利益を生み出すメリットがある一方で、「請求業務が複雑」というデメリットがあります。

今回は、「サブスクリプション型ビジネスとは何か?」「請求管理業務を効率的に行うポイント」「サブスクリプション型ビジネスに請求管理ツールを使うメリット」などについて解説します。

目次

サブスクリプション型ビジネスとは?

サブスクリプション型ビジネスとは

サブスクリプション型ビジネスとは、サービス・製品の利用期間、もしくは利用量・プランなどに応じて料金が発生するビジネスモデルです。「継続課金型ビジネス」とも呼ばれます。

ワンショットで物品やサービスを提供して、それに対して一括で対価が支払われる売買とは異なり、利用契約が続く限り、継続的な売り上げが見込めるというメリットがあります。

サブスクリプション型ビジネスにおける請求管理の業務内容

サブスクリプション型ビジネスにおける請求管理業務には、以下のようなものがあります。

  1. 受注・契約情報の管理
  2. 請求書の発行・送付
  3. 入金の確認・消込

請求書の発行とひと口に言っても、ただ請求書を発行すればよいわけではありません。ここでは、実際にどのような作業がおこなわれるのか、工程ごとに詳しく見ていきましょう。

受注・契約情報の管理

請求書を発行するには、受注・契約情報の管理が欠かせません。

サブスクリプション型ビジネスにおいては、契約者の情報(住所や支払い方法、請求先)や契約サービスといった顧客情報のほか、契約プランやオプションの変更などの契約情報も管理する必要があります。

スムーズな請求書作成のためにも、受注・対応履歴を可視化できる状態で管理することが求められます。

請求書の発行・送付

請求内容が整理できたら、締め日までに請求書を発行・送付します。

契約管理の情報をもとに、前月の締め日翌日から当月の締め日までの取引金額を集計し、請求金額として確定します。

請求書の送付は紙でおこなうのが一般的でしたが、近年ではWebやメールなどのオンライン発行が主流になってきています。

なお、電子データで請求書を発行する場合は、電子取引のデータ保存が必要です。電子帳簿保存法の改定により、2024年1月から取引情報は原則データでの管理が義務付けられました(参照:電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください|国税庁)。

入金の確認・消込

請求書が送付できたら、期日までに入金されているかを確認します。入金確認ができない、または入金額が請求額と一致しない場合は、取引先に確認する必要があるでしょう。

入金が確認できたら、「売掛金」としてのデータを帳簿から消去する「入金消込」をおこないます。消込は、入金の抜け・漏れを防止するうえで欠かせない作業です。

サブスクリプション型ビジネスにおける請求管理の課題

請求管理の課題

サブスクリプション型ビジネスは売り切り型のビジネスモデルと違い、定期的に請求をおこなわなければなりません。それにより、さまざまな問題が生じる可能性があります。

ここでは、サブスクリプション型ビジネスにおける請求管理の課題について解説します。

金額計算や費用請求方法が煩雑になる

サブスクリプション型ビジネスは、月額の基本利用料が設定され、これにオプションの料金がプラスされるモデルが一般的です。しかし、「月額料金」とひと口にいっても、バリエーションはさまざまです。

月額料金が常に一定であれば良いのですが、使用料に応じて段階的に料金が変わったり、トライアル期間があったりすると、請求金額を算出するパターンは無数に広がってしまいます。利用者に応じて請求金額の算出方法が変わると、請求書の発行にも時間がかかり、さらには計算ミスにつながるリスクも高まります。

利用状況により請求額が変わるため、請求額を誤る危険性がある

サブスクリプション型ビジネスでは、オプションの利用やプランの変更などにより、請求金額が毎回違うケースもあります。

例えば、月の途中で契約・解約すると日割りの計算が必要になったり、オプションサービスの利用で追加料金の精算が求められたりします。

取引先の契約状況を詳細に把握できていないと、請求額を見誤るかもしれません。サービスの利用状況を詳しくチェックでき、正確な請求金額を把握できる管理体制を整えておくことが大切です。

支払いサイクルごとに必ず請求書を発行する必要がある

サブスクリプションは「継続課金型ビジネス」です。

売り切り型の売買とは違い、料金請求の作業が支払いサイクルごと(月額サービスであれば月ごと)に必ず発生します。

利用者によって締め日や支払日が異なる場合は、請求業務に煩雑さが増すことになります。

請求漏れや二重請求がないよう、適切な時期に複数人がチェックする体制が求められますが、従業員が少ない企業では難しい要求となるでしょう。

サブスクリプション型ビジネスの請求業務を効率化するポイント

請求業務の効率化ポイント

課題の多いサブスクリプション型ビジネスの請求管理を効率化するには、何が必要なのでしょうか。ミスによる損失を起こさないために、何から始めたらよいか考えてみましょう。

手作業による間違いが起こらない仕組みにする

請求の間違いは、企業にとって大きな損失に発展する事があります。

例えば、金銭的な損失、利用者からの信頼の喪失、リカバリー作業による業務の圧迫などが考えられるでしょう。これらが重なる最悪の場合では、サービス存続の危機にもなり得ます。

利用者が増え、請求件数も増えるにつれて、手作業によるミスのリスクも高まります。ミスを未然に防ぐためにも、予め作業フローを構築し、請求業務を仕組み化・効率化する管理体制を強化することが重要です。

お客様窓口担当部門と管理(請求)部門の情報連携

サービスのプラン変更等の情報は、多くの場合利用者からお客様窓口担当部門へ届きます。しかし、その情報が正確に連携されないまま、請求担当部門が請求書を発行してしまうと、請求金額に誤りが生じてしまいます。

このような事態を防ぐには、請求管理システムの活用が有効です。部門間共通で請求業務に必要な情報を閲覧・確認ができるシステムを利用することで、ミスを減らし、作業を効率化できます。

エクセルを利用した請求管理のデメリット

エクセルデメリット

小規模なサブスクリプション型ビジネスでは、請求管理にエクセルを利用するケースも少なくないでしょう。エクセルは導入費用が安価で済むメリットがある一方、懸念されるデメリットもあります。

ここでは、特にビジネスの立ち上げ時期に、請求管理をエクセルで始めることで、起こりがちなミスや、懸念されるデメリットをまとめました。

計算間違いや請求漏れが発生しやすい

利用者が増加し、サービスが多品目化すると、それに比例して単純に作業量も増加します。また料金計算業務が複雑になることで、ミスのリスクも高まります。

また、エクセルには、請求スケジュールに関するリマインド等の機能がありません。プランの変更や追加の反映が、正しい請求スケジュールから漏れてしまった場合、結果的に誤った金額の請求が発生するケースも考えられます。

部門間での共有に不備が生じる

利用者の増加やサービスの多品目化等、事業の規模が大きくなると、業務が多量・多様となり、携わる部門が増えることが想定されます。

その際、部門間には確実な情報連携が求められます。

しかし、

利用者情報を上書きした際に、過去の履歴が全部消えてしまった

複数部門・複数人が情報を編集する時のルールが上手く決められず、データが更新されていなかった

など、エクセルの弱点に翻弄されて、情報連携に不備が生じる可能性も捨てきれません。
こうした不備は、結果的に利用者に対して間違った請求が発生し、サービスの解約を招く原因にもなり得ます。

利用者が増えるに従って、処理に負担がかかる

利用者が増えるにつれて、サーバーやネットワーク環境の容量を圧迫し、エクセルの処理速度が遅くなってしまうことがあります。これは非常なストレスです。
このような環境では、「保存したと思ったらできていなかった」などのミスが発生するリスクが考えられます。

サブスクリプション型ビジネスにおける請求管理は専用ツールを使うのがおすすめ

請求管理の専用ツールすすめ

サブスクリプション型ビジネスの請求業務のミスや複雑さを解決するには、「請求管理ツール」の利用がおすすめです。

請求管理ツールとは、請求書の発行をはじめ入金状況の確認など、これまで手作業で行っていた業務を自動化するツールです。請求管理ツールの導入により、以下の課題解決が期待できます。

請求金額の間違いや請求漏れなどの、ヒューマンエラーを減らす

請求関連部門の人手不足の問題を解決

請求業務のチェックに必要な工数の削減

部門間の情報連携の不備を無くす

「請求管理ツール」に一般的に搭載されている機能は、以下の通りです。

請求書作成機能

請求書発行機能

請求データ検索機能

請求書発送機能

郵送代行機能

入金管理、等

これらの機能で業務を自動化することにより、請求業務を低コストで運用できます。

サブスクリプションビジネスの請求管理に専用ツールを利用するメリット

複雑になりがちなサブスクリプションビジネスの請求管理において、専用ツールを利用するメリットは以下の通りです。

  • 利用者からの信頼度を高めることができる
  • サービス向上等のプロフィット業務に人員を割り当てることができる

それぞれについて、下記で詳しく解説します。

利用者からの信頼度を高めることができる

専用のツールを利用し、請求エラーがなくなれば、顧客からの信頼性も保つことができ、自社のサービスの長期利用につながります。

結果として、サブスクリプションビジネスのメリットでもある、売り上げの安定性も向上するでしょう。

サービス向上等のプロフィット業務に人員を割り当てることができる

請求業務を自動化すると、それまで携わっていた人的リソースを、サービス向上や新機能の企画開発、顧客サポートの充実など、より利益に直結する業務に割り当てられるようになります。

結果として利用者と企業の間に、良好なサイクルが生じることになります。

サブスク請求管理ツール「CollaboOne」を導入したお客様の事例

CollaboOneの導入により、受注登録からオーダー管理、請求書発行、および収納までの流れを自動化・一元管理を実現された事例もございます。

導入前に比べて大幅な業務効率化が叶い、代理店からの信頼向上やパートナーシップの強化にも結び付いたという嬉しい声を頂戴しました。

今後は集約されたデータをマーケティング分析に活用し、さらなる業務の拡大と継続的な顧客数の増加を目指していきたいとの意見もいただいています。

サブスクビジネスをワンストップでサポートする「CollaboOne」

CollaboOneは、サブスクリプション(月額課金)のビジネスを行っているすべての企業様におすすめのクラウド業務管理ツールです。

CollaboOneの4つのおすすめポイント

  • 見込案件、受注状況、売上見通しなど、あらゆる情報を一元管理
  • 煩雑なバックヤード業務をまとめて自動化
  • 二段階定額、従量課金、料金プランの変更やキャンペーンなどの複雑な料金プランにも対応
  • 請求書は電子帳簿保存法に対応。インボイス制度対応も相談可能

月額課金制サービスの立ち上げ相談から、既存ビジネスの運用改善まで、豊富なノウハウを持つ専任スタッフが、手厚くサポート。
効率的な運用が可能になり、導入後は売上拡大に専念できます。

【脱・エクセル管理】専用ツールでサブスクリプションの請求管理をラクに

以上、サブスクリプション型ビジネスの請求管理について解説いたしました。

サブスクリプション型ビジネスを展開する上で、請求管理の煩雑さはつきものです。
しかし、「請求管理ツール」を活用すれば、一気に業務の自動化・効率化を図ることができます。

特に今まで請求業務にエクセルを利用していた企業では、その効果を十分に体感できるでしょう。
サブスクリプション型ビジネスの請求管理に頭を悩ませている企業には、「請求管理ツール」の導入をおすすめします。